本日も子育ておせっかい日和
吉田淑恵 NPO法人「ワニワニクラブの仲間達の会」理事長
吉田淑恵さん よしだ・としえ 1982年(昭和57年)保育園を退職、室蘭市家庭保育員となる。85年託児所「ちびっこクラブ」を開設。97年古い一軒家を開放した育児サークル「ちびっこクラブ」発足。2001年輪西中核商業施設内に子育て支援施設「ワニワニクラブ」開設。ボランティアによる「ワニワニクラブの仲間達の会」を立ち上げ、03年NPO法人化。1991年から始めた室蘭市大沢小での絵本読み聞かせはボランティアグループの結成、他校での展開につながり現在も続く。大沢小学校評議員、室蘭市子ども子育て会議委員。家庭保育員養成講座講師。団体受賞は「未来を築く子育てプロジェクト」住友生命未来大賞(厚生労働大臣賞)、北海道子育て応援大賞、内閣府「子ども若者育成子育て支援功労者表彰」(内閣府特命担当大臣表彰)など。樺太出身。72歳。

No54 中年層の投票率の悪さに驚き
  (2016年10月5日付朝刊より)



 18歳選挙権の初の投票がありました。マスコミはこの特集でにぎやかでしたね。新聞、テレビに登場する高校生は、とてもしっかりと「今から勉強して投票に行くつもり」と言う方や、「分からないから行かない」と堂々と言う学生などさまざまでしたが、全体として難しい問題という困惑が伝わってきました。


 そして投票日がすぎ、あの投票率を示されると、一番悪いのは中年層であり、一度も投票場へ行っていない人が、どれだけ多いことか驚きでした。私たちも今回は少し違うかと期待したのですが、国民の半数で政治について考えて動かすことになるとはあきれてしまいます。


 さて、私の18歳の頃はと振り返ってみました。昭和37年高校卒業の私は、全校集会と安保闘争の渦中にいましたから、15〜18歳でとても政治に関心を持っていたといえます。


 公立高校でしたが、思想は自由。下校後、安保反対のプラカードを持ったデモ隊の先頭に同期がいたり、私はそのデモを見ていたメンバーでした。全校集会は校庭で開かれ、校長対生徒で校則の見直し、制服廃止など、今では考えられない激しいものでした。3年生になって書記として議長団の中にいたのも記憶にあるのですが、私はそれどころでない問題を抱えていました。


 当時、高卒の就職先はあり余るほどの時代。大学進学が増えていましたが、選ぶのが大変なほどでした。が、私にとっては難関がありました。父を中学1年の時に亡くした母子家庭。高給といわれる金融関係は「母子家庭の応募不可」と張り出されていたのです。何に突破口を見つけられるかを日々考え、父のいないハンディを邦文タイプや珠算の資格で補えるのではと、下校後に通いました。


 願書提出に私はやりきれない焦りがありました。友人は次々と大手銀行に内定するので、担当の教師に相談に行ったところ、「母子家庭の子を採用し万一金銭問題を起こした時の補償ができない」という理由が分かりました。このころから自分の意見をはっきり言える性格に変わった気がします。


 当時、理由は忘れましたが母子家庭の就職問題が取り上げられ、私も母と数組の親子でテレビ番組に出演したのです。何を言ったか定かではありませんが、私は就職内定していたと思いますから、一応名の通った会社だったせいもあったのでしょう。間もなく「母子家庭不可」の文字は募集要項から消えたのです。


 高校生が教師と政治の話題で授業中に議論したり、本音を言い合えた学びは大きいものでした。基本的に学ぶ機会もないまま自分の一票の重さを問いても、現在の18歳に理解しなさいと言うのはかわいそうにさえ思います。せめて中学3年くらいから、学校、家庭でしっかり学び、社会のしくみを教える授業を組むべきと思います。


 自分の一票が、何かの形になって見える政治にするのは大変ですが、18歳選挙権が決まったのですから、今考え直してあげなくては、将来は心配ばかりです。


 今回の選挙で数十年前を思い出して、懐かしい同期の顔が浮かびました。大学卒業後、世界で、日本で大活躍の有名人が数多くいて、社会貢献しているのを感じるのですが、なぜか私の知る限り政治家がいないのです。不思議の一つです。




Back NumberBack Number
 第1回〜第5回
 第6回〜第10回
 第11回〜第15回
 第16回〜第20回
 第21回〜第25回
 第26回〜第30回
 第31回〜第35回
 第36回〜第40回
 第41回〜第45回
 第46回〜第50回
 第51回〜第55回
トップページに戻る