■ がん患者が働ける環境を、室蘭で道就労支援研修会
【2020年2月14日(金)朝刊】

企業側に求められる「がん患者への就業支援」などについて理解を深めた研修会
 がん患者が治療や療養を行いながら、仕事を続ける上で、企業側に求められる就業支援への考え方や対応をテーマにした「道がん患者就労支援研修会」が13日、室蘭市海岸町の胆振総合振興局で開かれた。管内の企業事業主や労務管理担当者、医療関係者ら約50人が参加し、がん患者が治療や療養しながら、職業生活を続けるための必要な環境整備などについて学んだ。

 道地域保健課がん対策グループの渡辺健司主査は、道内のがんの現状と企業での就労支援の状況を説明。「道内で、新たにがんと診断された人は(年間で)約4万8千人で、4人に1人が20〜64歳の就労世代」と指摘した。

 特に「働き盛り」とされる年代の肺がんや大腸がん、乳がんの増加などから、「就労支援へのニーズは高まる」とも強調。一日単位や一定期間の病気休業制度や、有給休暇・時間単位取得制度の整備、企業でのがん検診実施の必要性を説いた。

 また、道産業保健総合支援センターの市村通乃さんは、仕事と治療の両立や仕事復帰への不安を抱える労働者側のがん患者と、両立可能とする態勢が不十分な企業側の実情などを指摘。両立支援による効果を出すためには、「『がんによって勤務ができない』と思ってしまう事業者や労働者の意識改革、労使の情報交換も大切」などと話した。

 一方、大野土建(士別市)の三好秀人執行役員・企画営業部長は、同社で進める就労支援や効果を解説。就労支援の取り組みを始めた動機として、社員の平均年齢が53・9歳となり、「疾病を抱えた従業員の治療と仕事への対応が重要な課題、と認識した」などと話した。

 その上で、がん患者就労支援態勢を確立したことで「労働者の健康確保、労働環境改善による人材の定着、他社との差別化、社内での信頼関係の向上につながっている」とメリットを示した。このほか、道労働局、国立病院機構道がんセンターの担当者も、就労支援などについて解説した。

 道、道労働局、道産業保健総合支援センター、国立病院機構道がんセンターの共催。室蘭をはじめ、道内4会場で開催している。
(松岡秀宜)

【写真=企業側に求められる「がん患者への就業支援」などについて理解を深めた研修会




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