■ 臨海部など抱える室蘭…ハザードマップ重要性を再認識
【2019年10月20日(日)朝刊】

普段は穏やかな知利別川。台風19号でハザードマップの重要性が高まっている
 東日本の広範囲にわたり多くの河川で堤防決壊による人命や、家屋に甚大な被害をもたらした台風19号。自然災害に備えて作製されている被害予測地図の「ハザードマップ」が、決壊や浸水地域を指し示しており、有効性がクローズアップされた。室蘭市内には高波・高潮被害が懸念される臨海部や、土砂災害が懸念される傾斜地などがある。市には企業などから「ハザードマップがほしい」との問い合わせが増えているという。専門家は改めて住民にハザードマップの活用を呼び掛けている。


◆―― 冊子の注文も

 「ハザードマップはどこでもらうことができるのか」。台風19号通過から数日後、室蘭市防災対策課にはハザードマップに関する問い合わせが増加している。市では2013年(平成25年)に市内全世帯に配布し、16年に市はNTTタウンページと一緒に「くらしの便利帳」として1冊にまとめた。

 ハザードマップは市のホームページ(HP)からも閲覧きるが、企業や事業所に保管するため「冊子でほしい」との注文もあるという。市内には、東日本の各地で氾濫した「1級河川」はないが、道が管理する2級河川が4カ所、市が管理する準用河川が5カ所、さらに31の普通河川がある。

 災害リスクの観点から室蘭は海に面し、市街地が平らな低地の一方、各町は沢で形成されていて自然排水が難しい地形。このため集中豪雨や津波で大きな浸水被害が起こりやすいとされている。


◆―― 浸水の可能性

 室蘭市のハザードマップの洪水浸水区域によると、知利別川(2級河川)が氾濫すると、中島本町から天神町周辺が浸水。また、本輪西川・コイカクシ川(準用河川)が流れる港北・本輪西一帯の浸水災害がそれぞれ想定されている。

 17年7月の大雨では、市内で24時間雨量63ミリを観測し、川があふれて母恋地区の市道の冠水や母恋会館などの床上・床下浸水被害が出た。市防災対策課の宇那木啓二課長は雨が断続的に降ると「川に近いまち中は、ハザードマップと重なる大きな浸水被害が出る可能性がある」と強調する。


◆―― 地域浸透図る

 ハザードマップに加え、室蘭地方気象台と連携した「防災・減災」への取り組みも進んでいる。

 蘭西7町連合会は、東日本大震災や胆振東部地震などを機に同気象台と連携、ハザードマップの「災害想定地域」を生かし、住民の命を守る取り組みを行っている。森川卓也会長=市町内会連合会副会長=は、防災力強化に向け「避難経路の確認を含め、いざという時の対応を密なものにしていきたい」と語る。

 また、市は企業や各家庭に対し、ハザードマップを目に付きやすい場所に置いておくことを勧める。中には「どこにいったか分からない」という住民のため、今後、地域全体としての浸透を図っていく方針。

 防災士研修センター(東京)の玉田太郎代表取締役は「ハザードマップを使って身近な環境を確認することが、自らの命を守ることにつながる」と強調した。「さまざまな危険性について確認・予想して話し合い、災害が起こった場合にどのような行動を取るのかを具体的に決めておくことが大切です」と指摘している。
(粟田純樹)

【写真=普段は穏やかな知利別川。台風19号でハザードマップの重要性が高まっている




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