■ 室蘭市職員が宮古で給水支援活動―災害派遣第1陣帰蘭
【2019年10月18日(金)朝刊】

2人の提案を受けて派遣第2陣が宮古に持ち込んだ仮設タンク
 台風19号による災害派遣で、室蘭市からの第1陣として岩手県宮古市入りした、防災対策課主幹の武田学さん(52)と水道施設課維持係の中田悠樹さん(34)が16日夜、帰蘭した。断水と停電が課題となる中、現地で給水作業に奔走した。現地の様子や得た教訓を聞いた。
(鞠子理人)


 ―現地ではどのような作業に当たったか。

 「1・8トンのタンクを積んだ給水車で13日夜に苫小牧からフェリーで八戸に入りました。盛岡を経由して14日朝に宮古に着きました。北部の田老地区や南部の重茂地区で給水作業を行いました。

 後に他都市からの応援派遣は拡大しましたが、14日は室蘭市だけ。土地勘がないため宮古市の職員と組んで作業し、翌15日は室蘭の2人で田老地区の樫内で1日3回の給水作業を行いました」

 ―現地の様子は。

「防災協定の意義は大きい」と話す武田さん、「情報伝達の重要性を実感した」と語る中田さん 「宮古の市街地はほぼ平常でしたが、沢伝いにある地域で道路、水道管が崩落、停電と断水が発生していました。停電は15日夜に解消されましたが、15日夕方で約950世帯、2700人が影響を受けていました。 国道のトンネル内が雨の影響で通行止めとなり、通常15分の場所まで迂回して1時間以上を要しました。迂回路でも所々、道路の崩落箇所を確認、道路下にあるはずの水道管が約100メートル下の斜面に流れ落ちている場所もありました。

 水道は浄水場から配水池経由で家に届きますが、樫内では13日の段階で浄水場と配水池を結ぶ管が破損しました。ただ配水池と家を結ぶ管が生きており、配水池の水を使い切った15日に時間差で断水となったケースもありました」

 ―現地で得た教訓は。

 「給水の人手が不足する中、作業効率が課題と感じ、室蘭にある仮設タンク(1トン)を運んでくることを提案、実現しました。給水車だけでは2時間ほどとどまる必要がありますが、仮設タンクがあれば、効率よく必要な箇所を回れます。胆振東部地震での経験が生きました。

 広報の重要性も感じました。時間差断水となった樫内では『いきなり水が止まった』と困惑の声が広がっていました。行政も断水原因や箇所の把握に混乱している中でしたが、時間差の可能性を周知できていれば、住民も備えができたと思います。

 住民の災害に対する意識の高さ、コミュニティーの力にも驚きました。給水作業への自発的協力、水専用ポリタンクの常備、異物が入らないようふたが付いたバケツを所持している家庭も多かった。見習うべきことは多いですね」

 ―室蘭と宮古は8月20日に防災協定を結んだばかり。協定の意義を感じた部分は。

 「やはり、被害が発生しなかった地域から被災地を応援できる利点は大きい。仮設タンクの提案も含め、互いの経験や知恵を生かした活動が可能です。

 初動対応の早さも協定があってこそ。15日からは日本水道協会関連の災害派遣も加わりましたが、初日が室蘭だけだったことを見ても、迅速派遣につながったと思います」

【写真=(上から順に)2人の提案を受けて派遣第2陣が宮古に持ち込んだ仮設タンク(提供写真)、「防災協定の意義は大きい」と話す武田さん「情報伝達の重要性を実感した」と語る中田さん




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