
室蘭工業大学など4大学の学生が室蘭市絵鞆町のエンルムマリーナ室蘭を拠点に、1〜7日の日程で市立室蘭水族館とその周辺の課題解決に向けて、ICT(情報通信技術)の利活用案などを考えている。
情報技術人材の育成を図る文部科学省の事業「enPiT」の一環で、今年で3年目。室工大のほか、千歳科学技術大学、稚内北星学園大学、秋田公立美術大学から情報系や美術系の3、4年生計15人が参加。enPiT支援組織の室蘭市と室蘭市観光協会からの提案で、今回は室蘭水族館とその周辺をテーマに演習を行っている。
2〜4日は7グループに分かれ、水族館の取材やアイデアを描いたイラストの発表、写真や動画などの素材集めを行い、プレゼンテーション用の資料とアイデアを具現化するコンピューターボードを開発した。
4日は各グループがプレゼンで「施設全体が見られるような掲示物がない」「水族館の中が暗くて子どもが入りたがらない」など、解決したい問題点を洗い出し、人感センサーを搭載したタッチパネル式MAPやプロジェクションマッピング、VR(仮想現実)の導入を提案。コンピューターボードとパソコンを使って簡易的に提案した内容を体験してもらった。
海中列車をコンセプトにした内装やVRによる列車の海中探索を提案した室工大の大堀未来乃さん(4年)は「美大の方は絵がうまいので、互いに助け合いながら考えることができました」と振り返った。
5〜7日は水族館周辺を歩きながら、地域の人々に話を聞き、今ある良さを生かした新しいサービスを考える。
(奥野浩章)
【写真=コンピューターボードとパソコンを使って提案内容を体験する学生ら】
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