
第3回室蘭市空き家等対策協議会が23日、市役所本庁舎で開かれた。市内の所有者不明となった空き家の現状が説明され、市の担当者は「対策を協議しているところだが、本来空き家の管理は所有者がやるもの。予算も含めて慎重な検討が必要」と話した。
委員10人が出席。委員の青山剛市長は「空き家被害を未然に防ぐ対策など一層推進していく。安全安心なまちづくりにしっかりと取り組みたい」と話した。会長に室工大の真境名達哉准教授、副会長に市社会福祉協議会の山中正尚会長を選んだ。
市内の空き家の状況や対策について報告を受けた。市によると、周囲に危険を及ぼす可能性のある特定空き家の通報件数は年々増加傾向にあり、2018年度(平成30年度)で130件。また管理不全の状態になっている空き家の通報は15年度の260件から3年間で482件と倍増した。
委員からは、中央町の老朽危険空きビル「サトウビル」の解体工事を受け、「解体はアスベスト除去費に多額の費用が掛かっている。危険な空き家は事前の調査などで把握できるのでは」といった声が上がった。市は「今後の対応は庁内の対策会議で協議中」とした。
(林帆南)
◆―― サトウビルの解体、アスベストに配慮
昨年の胆振東部地震で外壁が崩れた室蘭市中央町の老朽危険空きビル「サトウビル」の解体工事について、施工業者の藤川・高橋特定建設工事共同企業体(JV、代表企業・藤川建設)が22日、室蘭市役所で住民説明会を開き、安全な工事の実施に周辺住民の理解を得た。
住民や町内会の関係者約10人が参加。席上、市がこれまでの対応について話した後、解体工事の現場代理人を務める、藤川建設企画部長の小川一洋さんが、アスベストの飛散防止など周辺住民の安全に配慮した対策を説明した。
工事は10月からアスベスト撤去作業に着手し、11月下旬から解体作業に入る。完工は2月中旬を目指している。道路の通行止めは行わない。
小川さんは「工事にご理解いただけたと思う。安全に工事を進めていきたい」と話した。
(林帆南)
【写真=委員10人が出席した室蘭市空き家等対策協議会(上)、サトウビルの解体にあたり住民の理解を得た説明会(下)】
|