■ 蒸気機関車の移設スタート、旧室蘭駅舎へ里帰りへ
【2019年8月24日(土)朝刊】

旧室蘭駅舎に向かい千歳交差点を左折するトレーラーに載った機関車=23日午後9時55分、室蘭市中央町
 室蘭市青少年科学館の屋外に展示されてきた蒸気機関車「D51560号」の移設が23日スタートした。移設先の旧室蘭駅舎までの沿道には多くの市民や鉄道ファンが詰め掛け、1975年(昭和50年)に現在地に設置されて以来44年ぶりの一大作業を見守った。

 この日午前8時ごろ、同科学館横のSLをクレーン車でつり上げトレーラーに載せる作業に入った。同日夜には市職員ら約100人を移設ルートに配置した。

 午後9時、炭水車が同科学館を出発。約1・4キロメートル先の海岸町の旧室蘭駅舎に到着した。続いて9時半すぎ、機関車が出発。トレーラーの進行方向と逆向きに積まれた高さ約4メートルの機関車はゆっくりと市道を進んだ。沿道や歩道橋には市民や鉄道ファンがカメラを手に大勢詰め掛け、一斉にフラッシュがたかれた。

 母とSL移設作業を見学に駆け付けた高砂町の小学生、五十嵐正彦君(11)は「珍しい作業なのでせっかくならと来ました。科学館でいつもSLを見ていたので、移設は少し寂しいですが、新しい公園での展示も楽しみ」と笑みを浮かべた。

大勢の市民らに見送られて科学館を出発した機関車=23日午後9時半、室蘭市本町 旧駅舎に到着したのは同日午後10時20分ごろ。SLはきょう24日午前、トレーラーから設置場所に移設し同日中に作業を終える予定。SL上屋の照明や公園内に遊具を整備するほか、旧駅舎内に展示品を飾る。公園整備費として19年度予算で計8730万円を計上。また今回のSLの輸送費約1700万円を要した。ぽっぽらん公園の供用開始は11月上旬予定。

 SL移設は、(仮称)環境科学館・図書館の建設構想の浮上で議論が始まった。市は現存の道内最古の木造駅舎で国の登録有形文化財「旧室蘭駅舎」(海岸町)に隣接のぽっぽらん広場に移すことで、駅舎と一体でまちのにぎわい創出を考えた。

 石炭積み出し港として発展した歩みをどう伝えるか。市民参加の「まちづくり協議会」を4回開き、SLの活用策の検討を重ねた。

 SLをライトアップしようと、ふるさと納税を利用したクラウドファンディングを実施。約3カ月で目標額100万円を上回る277万円を集めた。「市として初の試みだったが予想以上の反響で期待の大きさを感じた」(市教委)という。

 同SLは1975年3月、当時引き込み線があった室蘭港西3号埠(ふ)頭から同科学館に移設、展示されてきた。
(林帆南)

【写真=旧室蘭駅舎に向かい千歳交差点を左折するトレーラーに載った機関車=23日午後9時55分、室蘭市中央町(上)、大勢の市民らに見送られて科学館を出発した機関車=23日午後9時半、室蘭市本町(下)】




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