■ 東大・遠藤教授が室栄でSSH講演,動物死体から進化探る
【2019年6月12日(水)朝刊】

動物の死体を解剖、標本として残す意義を語る東大総合研究博物館の遠藤教授
 死んだ動物の解剖を手掛け、パンダの7本目の指を発見したことで知られる東京大学総合研究博物館の遠藤秀紀教授(54)が11日、室蘭栄高校で講演した。「死体は『進化の歴史書』。体の謎を解き明かし、標本として未来に語り継いでいくため、命懸けで取り組んでいる」と全校生徒約700人に意義を語った。

 同校は2015年度(平成27年度)から5年間、理科系教育を重点的に進める文部科学省のスーパーサイエンスハイスクール(SSH)の指定校。講演はSSH事業の一環で開催した。

 遠藤教授は、死んだ動物を解剖して進化の歴史を研究しながら、標本に残して未来の研究に役立てる「遺体科学」を提唱している。「死体に尋ねる五億年」と題し、動物の進化の過程などを実際に解剖を手掛けたパンダやオオアリクイなどの事例を基に紹介した。

 動物園から動物が死んだとの連絡をもらった際に「何十年も命を懸けて飼ってきて遠藤さんより詳しい。けれど死んでしまうと何もしてやれない」と吐露する飼育員の逸話を披露し「科学はそれほど偉くない。何かを発見できてもたまたまで多くの支えがあってこそ。謙虚に振る舞わないといけない」と実感を込めた。

 日々「死」と向き合う中で、死や死体から隔離された現代社会や、解剖実験は残酷という批判、食品は安全というアリバイが感謝の気持ちよりも優先される今日をちょっと変と思うようになったという。「好きなことに突き進むうちにふと見えてきた大切なこと」と述べ、生徒には動物園のあり方の是非をはじめ、押し付けではない議論を続けるよう促した。
(野村英史)

【写真=動物の死体を解剖、標本として残す意義を語る東大総合研究博物館の遠藤教授




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