■ 関西学院大学生、室蘭の「風習」聞き取りリポート発表
【2019年6月11日(火)朝刊】

店主の小笠原さんに聞き取りする岩渕さん=8日の夕方、輪西町の焼き鳥店「鳥よし」
 関西学院大学(兵庫県西宮市)社会学部の学生たちが、社会調査実習のため7日から10日まで室蘭市内に滞在し、労働者文化や信仰、風習などについて調査した。市民の協力を得ながら声を聞き取り、飛び込みの取材を重ねて「室蘭像」を浮かび上がらせた。

 現代民俗学が専門の島村恭則教授のゼミに所属する3年生の男女11人。室蘭は鉄鋼や製鋼、造船などの現場で働く労働者が形成した文化が息づき、伝統的な信仰が受け継がれ、戦後は新たな宗教が生まれた地。研究対象となるテーマがそろったまちとして、地方都市研究の舞台に初めて選んだ。学生らは1人または2人で聞き取り調査し、労働者の生きざまや、地域の歴史を記録した。

 B級グルメとして定着した「室蘭やきとり」が労働者にどう受け入れられ、食べられていたかをテーマに、市内の焼き鳥店をはしごして調査した岩渕香奈さん(20)は「同じ室蘭の焼き鳥店でも地域によって客層や営業形態が違う点が面白い」と感じた。

 8日の夕方、輪西町の八条通りにある焼き鳥店「鳥よし」。全ての焼き鳥を1品ずつ頼み、ソフトドリンクとともに味わいながら店主の小笠原光好さん(81)に質問を繰り返す岩渕さんの姿があった。約1時間の取材で、工場の交代勤務に合わせて営業していたことや、仕事で失敗しても上司が「ここでおしまい」と翌日に持ち越さない場になっていたことなどを丁寧に聞き取った。

 職場でも住居でもない「第3の場所(サードプレイス)」として独自の発展を遂げた焼き鳥店は室蘭を象徴する場所の一つ。島村教授は「近代の社会は非合理なものをできる限り排除してきたが、サードプレイスやお化けといった非合理なものを人間はなくすことはしなかった。非合理なものをモザイク状に重ね合わせると、まちが立体的に見えてくる」と話す。

 その上で「実習は過去の記憶の蓄積を発掘するすべを身に付ける練習になる。学生の多くは西日本の地方都市出身。古里に戻ったとき、視野が変わる」と狙いを話した。

 実習の成果は、ストーリー性を持たせたリポートにまとめ、協力者に事実確認をした上で、ゼミのホームページ上に公開する。
(野村英史)

【写真=店主の小笠原さんに聞き取りする岩渕さん=8日の夕方、輪西町の焼き鳥店「鳥よし」】




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