■ 室蘭の月島機械が操業開始、技術融合し世界に挑戦
【2019年4月10日(水)朝刊】

「ものづくりの新しい歴史をつくりたい」と抱負を語る月島機械の山田工場長
 環境プラント・産業機械大手の月島機械(本社東京、山田和彦代表取締役社長)は9日、日本製鋼所室蘭製作所(室蘭市茶津町)構内に機能移管した室蘭工場で操業を開始した。工場で開所式が行われ、関係者らが安全操業を祈願し、製造設備を起動した。同日夜には祝賀会も開かれ、室蘭の新たな産業分野の誕生を歓迎し、ものづくり文化の発展に期待を寄せた。

 祝賀会で山田社長は「両社のものづくり技術、ノウハウを融合し、高品質の製品を世界に発信していくのが室蘭工場のミッション。加工や調達、輸送で地元企業に協力していただき、雇用などで地域に貢献していきたい」と新たな歴史のスタートに力を込めた。

 1905年(明治38年)創業の月島機械は、主力工場の市川工場(千葉)で、大型乾燥機などプラント機器や設備を製造。海外との競争が激化し、より良い製造環境を求め、大型製品の出荷に最適な専用岸壁があり、長年培われた品質保証、鋳鍛造技術の活用できる日鋼室蘭への製造機能移転を決めた。

月島機械室蘭工場での操業開始を記念して行われた起動式 主要設備を市川工場から日鋼室蘭の第4鉄構工場に移設し、門型クレーンやレーザー切断機など一部機械は新設。工場2棟分の設備を1棟に集約し、製造工程の効率化も図った。製品加工の一部は日鋼室蘭に委託し、日鋼室蘭からも大型製品の製造を受託する。工場の従業員80人は、月島機械の40人、日鋼室蘭から出向した40人で構成する。

 製造品は、浄水場や下水処理場向けの脱水機や汚泥乾燥機、化学、鉄鋼、食品工場向けの円筒形乾燥機、分離機など多岐にわたる。日鋼室蘭は工場設備を賃貸し、要員出向などで経営資源を有効活用する。製品加工を受託するなど、操業安定化による収益改善や製造品の新分野開拓にも力を入れる。
(菅原啓)


◆―― 製品の大型化可能に

 日鋼室蘭構内で操業を開始した月島機械。山田彰彦室蘭工場長(56)=常務執行役員=に抱負を聞いた。
(聞き手・菅原啓)

 ―操業開始を迎えて。

 「無事に工場が稼働し安堵(あんど)している。日鋼室蘭製作所の機械、人材などの製造技術、品質管理のノウハウを活用しながら、より高品質のものづくりを目指していきたい」

 ―今後の協業について。

 「当社はステンレスが中心で室蘭製作所と扱う材料は異なる。互いの技術を持ち寄り、新しいものづくりにチャレンジしたい」

 ―室蘭での操業のメリット。

 「大型製品の出荷に適した専用岸壁など、製品の大型化が可能になる。移設に当たって工場をコンパクト化した。全ての機械を移したわけではなく、室蘭製作所や協力会社の設備も活用していく。また地元企業への試作品の発注も始めており、徐々に裾野を広げていきたい。室蘭からの出荷開始は7月ごろの見通しだ」


◆―― 地場中小や住民「大歓迎」

室蘭工場の飛躍を祈念して鏡割りを行う月島機械の山田社長(中央)ら 月島機械の室蘭工場開所に合わせ、9日夜には宮の森町の蓬らい殿で祝賀会が開かれ、関係者が同社の飛躍を祈念した。出席者をはじめ、室蘭のものづくりを支える地場中小や地域住民も進出を歓迎。日鋼室蘭との協業による相乗効果や、地域企業との連携に期待を寄せた。

 両社幹部や地元企業、行政などから約100人が出席。日本製鋼所の宮内直孝代表取締役社長は乾杯のあいさつを務め「新しいものづくりの始まりに期待している。室蘭製作所にとって良い刺激になる。お互いの技術を融合し、発展していくことを願っています」と杯を掲げた。

 月島は部品供給や加工で地場に期待しているが、各社ともこれに応える姿勢だ。複数企業が既に取引を始めており、西野製作所(中島本町)もその1社。溶射など各種加工をワンストップで提供できる強みを生かせる仕事として、継続に期待する。

 西野義人社長は「不退転の覚悟で室蘭進出を決めた月島さんの気持ちをしっかりと受け止め、協力したい。取引に伴い新技術や設備が必要になる場合もあるが、前向きに対応する。メードイン室蘭を世に出す一員として、連携していければ」と話した。

 室蘭商工会議所の栗林和徳会頭は「水環境事業などのリーディングカンパニーの月島機械さんと、室蘭を代表する日本製鋼所さんとの協業は『ものづくりのまち』室蘭として厚みがまた一つ増す。大変心強い。波及効果が地域全体に広がれば」とした。

 日鋼OBで、お膝元となる御前水町会の沼田俊治会長は「互いの企業の良い面が出てくれれば。地域貢献にも期待しています」と笑顔を見せた。

 室蘭市の青山剛市長は数年間にわたる誘致活動を振り返り「100年を超える歴史を持つ企業に室蘭の技術力が認められ、大変うれしく思っている。室蘭に定着し、さらに技術力を高めてほしい。地域としても共に発展していきたい」と喜んだ。
(鞠子理人、菅原啓)

【写真=(上から順に)「ものづくりの新しい歴史をつくりたい」と抱負を語る月島機械の山田工場長、月島機械室蘭工場での操業開始を記念して行われた起動式、室蘭工場の飛躍を祈念して鏡割りを行う月島機械の山田社長(中央)ら




◇ 主な地域のニュース

☆ 道の駅「みたら室蘭」で新規テナント試食会
☆ 室蘭のギャラリー森田が開設15周年、13日今季オープン
☆ 室蘭市体協の前期女性スポーツサークルが開講
☆ 登別桜並木「花のトンネル」で新たに成木3本移植
☆ 伊達のなかむら整形外科クリニックに新施設、15日開業
☆ ぐるっと洞爺湖・彫刻マップを温泉小児童が作製
☆ 白老駅前のレストラン再開「ポロニ」がオープン
☆ 夢と希望を開花へ一歩…室蘭の2校で入学式