■ 道知事に鈴木氏、若きリーダーの誕生
【2019年4月8日(月)朝刊】

贈られた花束を手に笑顔を見せる鈴木氏。隣は麻奈美夫人=7日午後8時5分、札幌市中央区
 第19回統一地方選挙の前半戦となる道知事選と道議会議員選は7日、投票が行われた。知事選は即日開票の結果、ともに無所属新人で、前夕張市長の鈴木直道氏(38)=自民、公明、新党大地推薦=が、元衆院議員の石川知裕氏(45)=立民、国民、共産、自由、社民推薦=を大差で破り初当選した。鈴木氏は全国47都道府県の現職知事で最年少となる。

 道知事選は、現職の高橋はるみ知事が今年夏に行われる参院選へのくら替えを表明したことで16年ぶりの新人対決となった。2月に与党側が鈴木氏、野党側が石川氏を擁立し、準備期間が1カ月余りの超短期決戦は全国唯一の与野党全面対決の構図。両氏を推薦した各党は参院選を見据えて幹部を応援に投入する総力戦を繰り広げた。

 鈴木氏は「あらゆるピンチをチャンスに」をキャッチフレーズに掲げ、財政再生団体の夕張市でトップを務めた高い知名度を生かし、麻奈美夫人(37)と手分けして全179市町村を回り、地方を重視した選挙戦を展開。道内ゆかりの経済人らによる「ほっかいどう応援団会議」の結成を目玉施策に掲げ「攻めの道政」や「稼ぐ道政」「若さ」を強調した。推薦を受けた各党の支持層を固め無党派層にも浸透。高橋知事も後継指名し、短期決戦を制した。

初当選を果たし笑顔でバンザイする鈴木さん(左)=7日午後8時6分、札幌市中央区 野党統一候補の石川氏は「北海道独立宣言 豊かな自治をつくる」と題し、全市町村長や経営者らが一堂に会する北海道経営会議の創設などを掲げた。カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致反対やJR北海道の路線維持、脱原発などで鈴木氏との違いを打ち出したが、出馬表明の遅れなどが響き涙をのんだ。

 過去の道知事選で最も若く当選したのは初代知事を務めた田中敏文氏の35歳。鈴木氏は田中氏に次ぐ若さでの当選・就任となる。
(統一地方選取材班)


◆―― 保守道政継続を選択

 【解説】全国11道府県の知事選で唯一の与野党対決型となった道知事選。道民は令和時代最初の知事に与党側の鈴木氏を選び、保守道政の継続を求めた。

 自民党は候補擁立を巡り鈴木派と国土交通省の官僚派に分かれたが、鈴木氏は党内の争いを尻目に先手を打つ形で出馬を表明。公明党も推薦を早々と決めて外堀を埋めた。自民党内の「しこり」を懸念する向きもあったが、鈴木氏と公明党の先手作戦が功を奏し、支持組織を固めて無党派層にも幅広く浸透した。

 野党側は「道政奪還のチャンス」として国会議員の擁立を目指したが頓挫。最後は石川氏でまとまったが「あと1カ月欲しかった」(選対幹部)と出遅れが響いた。キャッチフレーズの北海道独立宣言も「国に依存しないが対立もしない」と、やや曖昧だったのは否めなかった。

 鈴木道政は23日から始まる。カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致やJR北海道の路線見直し問題など、「待ったなし」ながら高橋道政で結論が出ていない課題に対して、鈴木氏が選挙戦で語っていた「徹底した道民目線」でどう決断を下すのか。手腕が注目される。
(有田太一郎)


道知事選開票結果◆―― 道知事選当選者

 鈴木 直道(すずき・なおみち) 38 無新@(自、公、大推薦)
 (1)前夕張市長(2)東京都職員、内閣府地域主権戦略室・夕張市行政参与(3)埼玉県(4)法政大学卒業

 氏名(敬称略)、満年齢、党派、現新別、丸付き数字は当選回数。政党推薦は次に表示。(1)代表的な肩書(2)経歴(3)出生地(4)最終学歴。党派は自=自民党、公=公明党、大=新党大地。


◆―― 「活力ある北海道」決意

ダルマに墨を入れた鈴木さん=7日午後8時15分、札幌市中央区 投票締め切りの午後8時すぎ、鈴木直道さん(38)の「当選確実」の速報がテレビで流れた。吉報を待ち望んでいた札幌市中央区大通西10の選挙対策事務所は、大きな歓声と拍手に沸き、北海道の若きリーダーの誕生を祝福した。

 速報から間もなく事務所に姿を見せ、支持者の盛大な拍手や「おめでとう」「任せたぞ」の声に迎えられ「ありがとうございます」と笑顔や握手で応えた。感極まり涙を浮かべる麻奈美夫人(37)も一緒に「バンザイ」し、喜びをかみしめ知事としての新たなスタートに意欲をかき立てた。

 若さと行動力で臨んだ前夕張市長としての実績、食と観光の「北海道ブランド」の発信、国、北海道、市町村が連携した人口減少などの課題突破を掲げ「ピンチをチャンスに」「活力あふれる北海道の未来を築く」と165市町村を回り、訴えと握手を重ねてきた。

 相手候補に大差で勝利。「短期決戦の中で訴えがしっかり届き、確実に支援の輪が広がった中で戦い抜くことができた」と振り返り、「若さを生かし、北海道のあらゆる可能性を引き出し、笑顔あふれる躍動の大地にしたい」と地域再生に向けての決意をにじませた。
(統一地方選取材班)


◆―― 経済対策に期待、鈴木さんの室蘭選対歓喜

鈴木さんの当確で喜びに包まれる室蘭の選対本部=7日午後8時、室蘭市中島町 鈴木さんの室蘭市中島町の選挙対策本部事務所では、支援者ら約30人が開票のテレビ速報を見守った。午後8時の投票締め切り間もなく、当確の速報が打たれると、一斉に拍手が湧き起こり、若き知事の誕生を祝福した。

 室蘭選対の栗林和徳本部長は「道民の新しいリーダーとして、経済対策などしっかり頑張ってほしい」と述べた。

 自民党北海道室蘭支部の千葉英也支部長は「道政の場で鈴木知事を支え、誇り輝く北海道の実現に取り組んでいきたい」と太いパイプづくりへの意欲を示した。


◆―― 「野党統一」実らず、石川さん無念さにじます

「私の力不足。申し訳ない」と敗戦の弁を述べる石川さん=7日午後8時22分、札幌市中央区 「『北海道独立宣言』を進めて、豊かな自治を」と訴え続けた石川知裕さん(45)は、悔しさを隠せない表情。「全ては私の力不足」と頭を下げた。札幌市中央区大通西5の選対事務所。午後8時すぎ、テレビの速報が「鈴木直道さん当確」を伝えると、支持者らは沈黙。陣営幹部を撮影するシャッター音だけが会場に響いた。

 石川さんはその15分後に「野党統一候補として、応援に応えられずに申し訳ない」と敗戦の弁。ねぎらいの拍手に応えながらも、無念さをにじませた。

 今後の政治活動は「全く白紙だが、政治家であることには変わりない」と強調。その上で、「主夫として子育てをしたい」「(今夏の参院選は)全く考えていない」と話すにとどまった。


◆―― 「擁立遅れ 浸透せず」、石川さんの室蘭選対

 「こんなに早く決まるとは」。室蘭市東町の選対事務所に集まった石川さんの支援者からは悔しそうな声が漏れた。井野斎顧問は「擁立が遅れ、JR問題など想定した争点が浸透しなかった。今回の票を注視し、統一地方選後半戦と夏の参院選での勝利につなげたい」と語った。

【写真=(上から順に)贈られた花束を手に笑顔を見せる鈴木氏。隣は麻奈美夫人=7日午後8時5分、札幌市中央区、初当選を果たし笑顔でバンザイする鈴木さん(左)=7日午後8時6分、札幌市中央区、ダルマに墨を入れた鈴木さん=7日午後8時15分、札幌市中央区、鈴木さんの当確で喜びに包まれる室蘭の選対本部=7日午後8時、室蘭市中島町、「私の力不足。申し訳ない」と敗戦の弁を述べる石川さん=7日午後8時22分、札幌市中央区】




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【速報】道知事に鈴木氏―新人対決、大差で石川氏破る