■ 室蘭市内でクラウドファンディングが広がる
【2019年2月10日(日)朝刊】

室蘭市内で行政や大学生によるクラウドファンディングが広がっている
 私たちの取り組みを応援してください―。室蘭市内でクラウドファンディング(CF)が広がっている。インターネット上で不特定多数の人から事業・活動資金を集める仕組みに注目した市が、蒸気機関車(SL)の移設費用獲得に乗りだし、半月余りで目標額に達し注目が集まっているためだ。地元大学生も趣味の活動を発信したいと動き出した。専門家は「地方はどんどん進めるべき」と話している。

 「石炭の積み出しのまち室蘭に、SLの雄姿を輝かせたい!」。市がふるさと納税の仕組みを活用してインターネットで資金を募る「ガバメントクラウドファンディング(GCF)」のPRサイト。

 2020年12月の(仮称)環境科学館・図書館開館に合わせた事業。鉄道遺産を活用した官民による駅舎一体のにぎわい創出を目指し、SLを今夏に旧室蘭駅舎横のぽっぽらん公園へ移動する。「学ぶ」「体験する」「ふれあう」の各ゾーンを設置。駅員衣装の貸し出しや旧室蘭駅舎との一体イベント開催などを検討している。

 目標額100万円に対し今月6日までに133万円が集まり、1カ月以上過ぎた今も寄付が続く。市生涯学習課の大澤明博主幹は「SL移設に市外や縁のある方が関心や思いを寄せてくれた結果。感謝したい」と話した。

 GCFを活用する自治体は全国で急増している。国内大手のふるさと納税サイト「ふるさとチョイス」を運営するトラストバンク(東京)によると、13年以降、全国の約200以上の自治体がGCFを活用し、約440件のプロジェクトで寄付を募った。

 GCFの寄付金の総額は約46億円に上り、18年1年間で立ち上がった件数は前年と比較して2倍となる226件。返礼品のない災害支援などの事業にも多くの寄付が集まっている。

 一方、大学生の中でもCFを活用した趣味の幅を広げる流れが浸透してきた。室蘭工業大学生の畠山大那さん(20)、高橋丈留さん(19)、福田悠人さん(20)の3人はグループ「くじら」を立ち上げ、札幌市での写真展開催資金5万円を募っている。

 現在9千円と目標額には届いていないが、畠山さんは「素人の僕たちに知らない方々がお金を出してくれている。大きい金額」と前向きに捉える。今回の経験を通し「もっと何か大きなプロジェクトができると可能性を感じたので挑戦したい」と夢を膨らませる。

 立命館大の上久保誠人教授(政策科学)は「国の財源で中央の言う通りに物事を進めるのは古い。縛りのないお金を自由に集めるのは大切」と指摘。「資金を募る社会的意義を説くことが必要。クラウドファンディングはもっと広がっていくべきものだ」と語っている。
(林帆南、粟田純樹)

【写真=室蘭市内で行政や大学生によるクラウドファンディングが広がっている




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