■ 伊達・食育センターが開設1年、学校給食1品増える
【2019年1月10日(木)朝刊】

地場産食材を使った独自メニューを提供している食育レストラン「Eスプーン」=昨年
 だて歴史の杜食育センター(伊達市梅本町)が10日で1周年を迎えた。学校給食は従来から1品増え、秋にはアレルギー対応食の提供を始めた。併設する食育レストランは独自の食事メニューを増やすなど、市民の期待に応えている。関係者は、さらなる浸透に向け、知恵を絞っていく考えだ。

 開設1年で、料理教室だけで20回利用され、視察が相次いだ。同センターの代田顕靖参事は「料理教室に訪れた人が家族と一緒に来てくれたり、一部はリピーターになってくれた」と振り返る。定期的に利用しているという60代男性は「ワンコインで健康的な昼食が取れるのがありがたい。最近はメニューが増えて選ぶ楽しみがある」と笑顔だ。

 ただ、来場者の中には「量の割に割高」との声もある。可能な限り伊達産、国内産を使っているため、食材費はかさむという。地産地消と安心・安全な食事を常時提供する意義を周知し、市民理解を広げたい考えで昨年12月には、栄養士が編集した「食育通信」の発行を始めた。


◆―― 経費削減

 学校給食は、従来の一汁一菜を一汁「二菜」にした。外部に発注していた炊飯と揚げ物の直営化により削減できた経費で実現させた。今秋に予定されている消費増税後も給食費の値上げは予定していないという。子どもたちの多くが苦手とする野菜を使ったメニューの残食率が目立つことから、栄養教諭が食事や食物に関する知識をまとめた献立メモを学級向けに毎月発行しているほか、現場指導の機会を増やすことを検討している。

 昨年11月には、新たにアレルギー対応食の提供を始めた。現在、卵と乳・牛乳の2品目に対応し計20人に提供。対応食を必要とする子どもは全体で約60人。品目は順次増やす方針だ。


◆―― 災害対応

 2000年有珠山噴火では、給食センターが春休みのため即座に稼働できなかった。この教訓からライフラインが止まっても3日間3食を非常食として提供できる能力を持つ。昨年9月の胆振東部地震では2日間にわたって炊き出しを実施し、温かい食事を提供した。ただ、全域停電(ブラックアウト)のため、情報が市民に行き届かなかったほか、食材の確保にも課題が見えた。流通業者と連携を検討するという。


◆―― 次々考案

 春の七草がゆ、地元特産・黄金豚の炊き込みご飯セット、お正月の特別御膳…。新年を迎えた食育レストランの限定メニューだ。イチゴのスムージーや手作りケーキなどのスイーツもある。オリジナルメニューを次々と考案、提供している。

 施設自体の目新しさが薄れ、来場者数は当初の1日平均60人が現在40人程度。今後はリピーターの確保やファンの掘り起こしが課題となる。料理教室を増やしたり、隣接する総合体育館などと連動したプログラムの充実によるファンの定着を狙う。

 新たな企画を重ねることで「食育への関心を高め、センターにも足を運んでもらえるよう模索していく」と、センター長を務める市教委の金子達也教育部長は意気込んでいる。
(野村英史)


 【だて歴史の杜食育センター】市内の給食センター2調理場の老朽化に伴い、食育の拠点として新設。生産食数は最大3300食で、大滝区を含む市内と壮瞥町の全小、中学校の児童生徒と教職員に約3千食を提供している。学校給食の調理配送に加えて、給食と同じメニューや地元食材を使った食事を出す食育レストランやキッチンスタジオなどを併設。レストラン併設の給食センターは全国でも珍しい。市内外の6社で構成する施設名と同名の特別目的会社が運営している。

【写真=地場産食材を使った独自メニューを提供している食育レストラン「Eスプーン」=昨年】




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