■ 白老のアイヌ伝統儀式で厳粛にサケ豊漁祈願
【2018年9月14日(金)朝刊】

祈りの言葉をささげる野本課長(手前)
 サケを迎え、漁の安全と豊漁を祈願するアイヌの伝統儀式「ペッカムイノミ」(アイヌ民族文化財団主催)が13日、白老・ウヨロ川河口で行われ、同財団職員15人がかつて各コタン(集落)で盛大に行われていた伝統の儀式を作法にのっとり厳粛に進めた。

 儀式の前に同財団の男性職員が「フッサ、フッサ」と声を出しながら、ササとヨモギの束で砂浜をたたき、会場を清めた。祭壇には「トマリオルンカムイ」(船着き場の神)、「チワカムイ」(波立ちの神)、「ペテトクンカムイ」(水源の神)、「ペップトウンカムイ」(河口の神)、「ケマコシネカムイ」(キツネの神)の5神が祭られ、サケと団子が供えられた。

 同財団の野本三治文化振興・体験交流課長が祭主を務め、アイヌ語で昨年は不漁だった秋サケ漁の安全、豊漁を祈願。また「アイヌは試練を与えられ、乗り越えてきた。自然の神様、これ以上はどうか落ち着いてください」と祈りの言葉を述べた。
祭壇のイナウにイクパスイで酒を付ける男性職員
 祭壇に祭られた5本の棒の先に取り付けられたイナウ(木幣)に男性職員が儀式の際に使用される木製のイクパスイで酒を付けた。

 サケは「チェサンケカムイ」(魚をおろす神)が握っている袋の中にいて、人間の世界にサケをおろしてくれると伝えられている。そのため「チェサンケカムイ」に失礼なことをすると、人間の世界は飢饉(ききん)に見舞われるとも伝承されている。
(富士雄志)

※「チワシコロカムイ」の「シ」と「ロ」、「チェプサンケカムイ」の「プ」は小文字

【写真=(上から順に)祈りの言葉をささげる野本課長(手前)、祭壇のイナウにイクパスイで酒を付ける男性職員




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