■ 西胆振の販売店に乳製品徐々に入荷、種類と量は限定的
【2018年9月12日(水)朝刊】

西胆振の販売店に入荷し始めた乳製品=11日午後、室蘭市日の出町
 胆振東部地震による停電で道内の乳業工場が稼働停止し、途絶えていた西胆振の乳製品販売店に11日、牛乳などの入荷が始まった。各店は停電で商品の廃棄などに見舞われたが、宅配やホテル向けの納品などを順次再開する。

 道内は停電で乳製品の生産が滞った。農林水産省は10日までに道内39工場すべてが稼働、と発表したが、一般社団法人全国牛乳流通改善協会の橋本正敏会長は「学校給食やスーパーなどを優先し生産している」と説明する。

 ハシモト(室蘭市日の出町、橋本慎一代表取締役)は6日の地震発生時、本社や苫小牧、千歳の支店で宅配に当たっていた。社員や社屋に被害はなかったが、牛乳の一部や本社の冷凍庫の食品、各地に設置している20台の自販機の冷凍食品やアイスクリームは全滅。自社の2トン冷凍車に積み込んだ商品のみ、エンジンをかけ続け被害を免れた。

 11日午後、地震後初めて乳製品を載せたトラックが同社に到着。通常は牛乳など30種を仕入れるが普段の6割程度の量で6種類にどまった。同社は「お客さまにおわびやお知らせもできていない。宅配は12日から再開し、被害が大きい安平、厚真、むかわの配達分は支援品として提供したい」考え。本格入荷は週明けを見込む。

 福村明治乳販(伊達市)は胆振の福祉施設やホテルなどに牛乳を納品している。福井政吉社長は「11日に入荷したが通常の2割程度。牛乳は1リットルサイズで小さなパックがない。入荷の回復は数日後では」とみる。洞爺湖温泉などのホテルは停電後の宿泊キャンセルで納品にも響いているという。

 業界団体のJミルクがまとめた7月の生乳生産量は全国で61万6千トン。北海道が34万5千トンと全体の56%を占め、年間トータルも同水準で供給基地としての役割を担う。今夏は猛暑で都府県の生産量が落ち込み、9月は道外で学校給食が再開され需要が最も高まる時期で、道内の影響は全国に及ぶ。

 同協会の橋本会長は「酪農は大規模化、搾乳などの機械化が進み、停電で生乳の大量廃棄が起きた。乳業メーカーも貯層タンクで冷却が必要。停電のリスクは深刻」と語った。
(粟島暁浩)


◆―― 室蘭・祝津の風車が再稼働
再稼働し、ゆっくりと回る風車=11日午後、室蘭市祝津町
 室蘭市は11日、胆振東部地震の影響などで停止していた祝津風力発電所(祝津町)を再稼働した。道の駅みたら室蘭への供給と北電への売電も再開した。

 同発電所は、台風21号の接近による強風で、4日に自動停止した。地震後の道内の電力供給が不安定なため、発電量にばらつきがある同発電所の稼働停止を北海道電力が依頼し、市が対応していた。

 11日に北電から再稼働の許可が出て、市観光課の職員らが同発電所設備の調整を行い、午後3時ごろから再び風車が動いた。この日は風が弱く発電量はわずかだったが、ゆっくりと風車が回っていた。

 同課の担当者は「無事に稼動でき、少量でも発電できるので良かった」と安心した表情を見せていた。

 風車の電力は白鳥大橋のライトアップや道の駅みたら室蘭に供給。余った電力を北電に売電している。昨年9月は17万7千キロワット時を生み出し、このうち15万9千キロワット時を北電に提供した。
(池田勇人)


◆―― 日赤などで義援金受け付け

 日本赤十字社北海道支部と北海道共同募金会は、胆振東部地震の災害義援金を2019年3月31日まで受け付けている。

 受付金融機関は、ゆうちょ銀行・郵便局(00130―1―673591)、北洋銀行札幌南支店(普通預金4627670)、北海道銀行本店営業部(普通預金3286280)。募集期間内の送金手数料は免除される。

 義援金は税の寄付金控除対象で、受領証の発行は日赤北海道支部(電話011・231局7127番)へ連絡するとよい。寄せられた善意は、配分委員会(事務局・北海道)を通して全額を被災者に届ける。
(有田太一郎)

   

 日本赤十字社北海道支部室蘭市地区と市共同募金委員会は、12日から胆振東部地震の義援金を受け付ける。窓口は東町の市社会福祉協議会で現金で直接持参するとよい。時間は日曜日を除く午前9時〜午後5時。同社協は「可能な限りの協力をお願いします」と呼び掛けている。問い合わせは同社協、電話0143・83局5031番へ。
(池田勇人)

【写真=西胆振の販売店に入荷し始めた乳製品=11日午後、室蘭市日の出町(上)、再稼働し、ゆっくりと回る風車=11日午後、室蘭市祝津町(下)】




◇ 主な地域のニュース

☆ 胆振地域電力需給連絡会が計画停電回避へ一丸
☆ 台風や地震…伊達市農協の農業被害は3600万円
☆ 「数時間後に大地震」…苫小牧と室蘭でSNSデマ拡散
☆ 登別の温泉施設は通常営業に、館内の一部制限も
☆ 苫小牧・高丘霊園で地割れ、墓石2412基が被害
☆ 傾聴や運搬、炊き出し…厚真でボランティア活躍
☆ 鵡川ししゃも影響最小限に、大正創業の老舗が営業再開
☆ 「室蘭めぐり」がリニューアルし魅力をさらにPR