■ 胆振地域電力需給連絡会が計画停電回避へ一丸
【2018年9月12日(水)朝刊】

節電対策で蛍光灯を間引きした室内で行われた胆振地域電力需給連絡会の会合
 胆振東部地震による電力供給不足を受けた「胆振地域電力需給連絡会」の会合が11日、室蘭市海岸町の胆振総合振興局で開かれ、経済団体の関係者らが、地域を区切って電力供給を順番に止める「計画停電」を避けるため、家庭、業務部門、産業部門での節電に備えた取り組みなど、電力需要を抑える対策などを確認した。

 道内最大の火力発電所・北電苫東厚真発電所(厚真町)は、地震の影響で発電に必要な機器などが壊れ、世耕弘成経済産業相が全面復旧は11月以降になる見通しを示した。このため、国や道などでは、計画停電を回避するめどになる「9月の平日の最大需要比で2割減」を目指し、節電コア時間帯(平日午前8時半〜午後8時半)で「最大限の節電」を呼び掛けている。

 会合には、震源地に近い東胆振3町を除いた胆振管内自治体、商工会議所、中小企業や機械工業、1次産業、観光、医療各団体の関係者約30人が出席。山口修司局長は「復旧作業や企業活動、道民の暮らしなどに甚大な影響が生じる計画停電は、避けないといけない」とし、「命と暮らしを守るため、一丸となって節電への取り組みにご理解を」と呼び掛けた。

 一方、北電室蘭支店の木下範彰業務部長は、本州からの電力融通や他社からの受電・自家発電を加えても、9月の平日の最大需要(約380万キロワット)に対して「10%程度不足する」と、厳しい需給状況が続く見通しを説明。

 その上で、電力供給面でのトラブル発生などで、電力需給バランスが崩れてしまう可能性も踏まえ、「(需要の抑制を図る)節電へのご協力を受け、計画停電を避けたい」と述べた。
(松岡秀宜)


◆―― 登別、洞爺湖の観光に打撃

 胆振東部地震は、登別、洞爺湖両温泉の観光面にも大きな影響を及ぼしている。「秋の行楽シーズン」を迎える中、両温泉とも、宿泊客のキャンセルが相次いでいる状態だ。書き入れ時だけでなく、地震の影響の長期化も懸念する。

 両温泉とも、宿泊施設が壊れたなど、地震の直接的な影響はない。ただ、登別国際観光コンベンション協会によると、地震発生から9日までの間、宿泊を予定していた約1万2千人がキャンセルした。

 また、洞爺湖温泉では、「10月末までの宿泊予定者も含めると、既に2万人程度がキャンセル」(洞爺湖温泉観光協会)した状態。「(集計途中だが)損害額は2億円以上」と試算する。

 道外、海外客からは、地震で大きな被害を受けた地域のそば―とみられる向きも多いよう。「道路の被害は大丈夫か、などの問い合わせも多い。誤解されている」(登別国際観光コンベンション協会)と頭を抱える。

 両温泉とも、好調な海外客の入り込みに影を落としそう。秋の3連休を前に、関係者はショックを隠せない。洞爺湖温泉観光協会の野呂圭一事務局長は「道や道観光振興機構など、北海道全体で足並みをそろえ、早い時期に誘客活動をしなければ」と、一体となったプロモーション活動の必要性を強調する。

 両協会は、11日の胆振地域電力需給連絡会議で現状を報告。胆振総合振興局の横山諭産業振興部長は、「振興局ができることは共有し、(道庁や関係団体などには)意見を報告するなど、地震発生前に戻れるよう、連携して取り組みを進めたい」と話した。
(松岡秀宜)


◆―― 厚真など3町なお1495人避難

 胆振東部地震発生から6日目の11日、特に大きな被害を受けた厚真、安平、むかわの3町では断水や停電が続き、計1495人が避難所生活を強いられている。

 午後5時現在、厚真町で944人、安平町で327人、むかわ町で224人が自主避難を含め避難生活を継続。厚真町で約2100戸、安平町で2424戸、むかわ町で20戸が断水しているほか、厚真町で170戸、安平町で16戸が依然停電している。

 特に厚真町では浄水場が土砂流入の被害を受け、再開には1カ月以上かかるとみられている。
(北川誠)

【写真=節電対策で蛍光灯を間引きした室内で行われた胆振地域電力需給連絡会の会合




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