■ 室蘭・増川弁護士が西日本豪雨被災地の倉敷で支援活動
【2018年7月19日(木)朝刊】

豪雨災害の爪痕が残る岡山県倉敷市真備町の様子=14日、増川さん撮影
 現場は混乱し被災者だけでなく自治体職員も疲れ果てていた―。13日から3日間にわたり、西日本豪雨の被災地で災害ボランティア活動に取り組んだ室蘭市東町の北海道みらい法律事務所の増川拓弁護士(42)は、支援物資の活用や一時避難所の確保の重要性を目の当たりにし「復興のため継続的な支援が必要。また行きたい」と力を込める。

 初日。活動の拠点は岡山県倉敷市福田町の第二福田小学校の避難所。真備町から車で30分と近く、多くの人が身を寄せている。「被災者だけでなく、支援の申し込みの対応に当たる自治体職員もくたびれている様子」だった。物資として持参した下着や靴下は瞬く間になくなった。しかし同時に「物資は集積所にあふれかえっている。仕分け作業が必要な場合が大変」と問題点を挙げ、古着を詰め込み、男女の衣服を分けないなど梱包(こんぽう)次第では、善意が現場の新たな負担を生み出している現状を嘆いた。

 増川さんは東日本大震災や熊本地震のボランティア活動の経験から、災害発生直後は法律相談どころでないと感じ、今回は傾聴やカウンセリングを優先。「北海道から来た弁護士というと警戒心があるのは仕方のないこと。靴下やお菓子を担いできたお兄ちゃんのようなイメージで接してもらうように心掛けた」。次第に「わざわざ北海道からありがとう」など交流が生まれた。
継続的な支援の必要性を訴える増川さん
 「法律相談ブースをつくっても、人目などがあり相談しづらい。何げない会話を交わしながら、法律に関わる困り事を話してもらえれば」という姿勢で向き合った。

 14、15日は、全世帯のうち約半数以上に浸水被害があった真備町に入り、大阪大学の教授や研究生と合流し、10人で泥かきやごみの搬出に当たった。「目の前の光景に絶句した。川のヘドロと生活物資が混じり、信号は消え、砂ぼこりが立ち、渋滞がひどく、地面は道路なのかグラウンドなのか判然としなかった」

 一軒ずつ声を掛けていく中で、「災害ごみが出されていない家屋に違和感を感じた」。当時は災害ごみが片付けの進捗(しんちょく)状況を把握する目安になっていたからだ。

 築50年ほどの木造住宅の一階が完全に水没していた。4人家族は無事だったが、50代の父親は途方に暮れ現実を受け止めきれない様子だった。連日の猛暑。作業着や防塵マスク、長靴は汗でぐっしょりとぬれた。水を含んだ家具は重く、ドアは変形していた。「コップ一つにしても全てが思い出の品。家族にとってごみは一つもなかった」。作業終了後、父親は自分を奮い立たせるように語り掛けてきた。「やっと前に進めます」

 過去のボランティア活動と比較し、今回の特徴について「家屋の一階のみが浸水し、全壊は免れた家屋が多い。だからこそ、解体に踏み切るのは容易ではないし、人手がかかる」と被災者の葛藤を代弁した。

 災害時に「一時避難所を確保しておくことが重要。それは寝起きをするような大規模避難所でなくていい。まず一時避難所に身を寄せ、情報共有を図るのも有効な避難方法」と教訓を胸に刻む。
(鈴木直人)

【写真=豪雨災害の爪痕が残る岡山県倉敷市真備町の様子=14日、増川さん撮影(上)、継続的な支援の必要性を訴える増川さん(下)】




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