■ 胆振・日高3町長と洞爺湖町議補選が決まる
【2018年4月16日(月)朝刊】

当選を祝ってバンザイする真屋氏(中央)=15日午後10時10分、洞爺湖町本町の選挙事務所
 任期満了に伴う洞爺湖、安平、新ひだかの各町長選が15日、投票、即日開票の結果、洞爺湖町は現職の真屋敏春氏(69)=無所属=が新人2人を破り、3選を決めた。同町議補選は4人が争い、新人3人が当選した。また安平町長選は新人で前町教委教育次長、及川秀一郎氏(53)=同、新ひだか町長選は新人で元道職員、大野克之氏(59)=同=が初当選した。両町議選も行われ、当選者が決まった。
(選挙取材班)



◆―― 洞爺湖町は真屋氏3選

 洞爺湖町長選は現職の真屋氏が、初当選を目指した前町議会副議長の下道英明氏(57)=無所属=と、前町議会議員の高臣陽太氏(41)=同=の新人2人を破った。町政の継続か刷新かが焦点となる中、「未来へつながる町政を実行する」と掲げた真屋氏が信任を得た格好だ。

 当日の有権者数は7778人。投票者数は5335人で投票率は68・59%と合併後最低。2010年(平成22年)の前々回(前回は無投票)より7・88ポイント下がった。無効票は67票。

 3選を決めた真屋氏は1月に立候補を表明。1次産業を中心に町内の10団体から推薦を取りつけたほか、大半の自治会長から支持を受けるなど、盤石の組織体制を整えた。選挙戦では財政再建化団体からの早期脱却や地域防災力の強化、洞爺湖温泉街の年間宿泊客70万人の大台達成などを強調。基幹産業への振興策を継続した上で、本町地区の振興策を訴え票を固めた。

 下道氏は他の候補に先駆けて新年早々に立候補を表明。「8年続いた現町政か、民間出身町長が町に新しい風を吹かせるかが問われている選挙」と労働組合から支持を受け町政の刷新を呼び掛けたが、広がりを欠いた。高臣氏は、支持基盤をつくれなかった。


◆―― 課題解消へ実行力発揮を

 【解説】56年ぶりの三つどもえの争いとなった洞爺湖町長選は「町政の継続」を訴えた現職の真屋氏が2期8年の知名度で新人2人を振り切り、3選を決めた。選挙戦では明確な争点が際立たず、現町政の継続か刷新かが焦点となった。有権者は継続を選んだ。

 真屋氏は、町内10団体からの推薦を軸に現職の強みを生かした。政策は本町地区の振興策として老朽化の生活道路整備など具体策を打ち出し、有権者の約7割が住む大票田を手堅く固めた。下道氏は「現場第一主義」を掲げ、町内を回り浸透を図ったが及ばなかった。

 選挙戦で政策論は見えず盛り上がりに欠いた。有権者からは「町挙げ課題解決に取り組まなければ将来、埋没する」と危機感も聞かれた。町の人口は2月末9千人の大台を割った。合併特例の交付税加算措置終了で町財政が縮小し、事業の選択と集中が一層迫られる。今まで以上に住民の声に耳を傾け山積する課題に大胆に切り込み、未来への確かな道筋をつける実行力が求められる。


◆―― 「まち発展のため尽くす」
3選を決め、花束を受け取る真屋さん=15日午後10時6分、本町の選挙事務所
 「町民の皆さんが行政運営を見守ってくれた。もう1期頑張れと見守ってくれた。精いっぱいまちの発展のために尽くす」―。15日投開票の洞爺湖町長選で3選を決めた真屋敏春さん(69)は、本町の選挙事務所に詰め掛けた大勢の支持者に向け、こう勝利宣言し、町政の継続に向け意気込んだ。

 真屋さんの事務所では午後9時40分すぎ「当選」の報が届くと、支援者から大きな歓声と拍手が湧いた。真屋さんは「後援会がしっかりまとめ、支援者とくまなく話をしてくれたのが大きかった」と感謝し、公約の実行を約束した。

 真屋さんは1月に立候補を表明。2期8年の実績を基に、3期目は基幹産業の観光や農業、漁業の振興策は継続しながら、本町地区の地域振興に力を入れると訴えた。

 陣営内には「かなりの接戦になる。情勢は最後まで読めない」との分析があった通り、下道さんに508票差まで詰め寄られた。接戦となった結果には「批判の一つには、若い人の働く場がないことにある。若い人の考えを取り入れ、対策を講じていく」と謙虚に受け止める姿勢を示した。


◆―― 支持者ら前に「申し訳ない」―下道さん
支持者らを前に敗戦の弁を述べる下道さん=15日午後9時50分、本町の選挙事務所
 自らを挑戦者と位置付け真っ向勝負で、選挙戦に臨んだ下道英明さん(57)だったが、現職の背中は遠く、追い付くことはできなかった。落選の報を受け、本町の選挙事務所で集まった支持者らを前に「このような結果になり、私の不徳の致すところ」と肩を落とした。

 町議会副議長のポストを辞して臨んだ戦いだった。2期8年の実績を前面に出す現職に対して「8年間の町政の継続か、民間出身の町長が新しい風を吹かすのか」と、争点を明確に示し一貫した町民目線の「現場第一主義」で臨んだ。しかし、思うように支持を広げることはできなかった。

 午後10時前、事務所に姿を見せた下道さんは、敗戦の弁に続き支持者らに頭を下げ、これまでの支援に感謝。「本当に申し訳ありません」と何度も頭を下げた。事務所内は無念の空気に包まれていた。


◆―― 「ふがいなさ感じている」―高臣さん
「自分のふがいなさを感じている」と肩を落とす高臣さん=15日午後9時47分、旭町の選挙事務所
 「子どもたちが元気に育つ明るく住みよいまちづくり」を訴え、選挙戦を戦った高臣陽太さん(41)。旭町のサッポロドラッグストアー向かいの選挙事務所で、落選の報に「自分のふがいなさを感じている」と肩を落とした。

 三つどもえの争いとなった町長選。高臣さんは町が持つ潜在力を生かす政策の実行を掲げ、「町のイメージが伝わっていない」と、情報の発信と分析の仕組みを変える必要性を強調していた。優秀な若い人材が、力を発揮できる土壌づくりを指標し、他の候補との違いを明確にして戦った。

 午後9時40分、高臣さんの落選が分かると選挙事務所に動揺が広がった。高臣さんは支持者らに頭を下げ、これまでの支援に感謝の気持ちを伝えた。「負けはしたが、この町にはまだ可能性があると感じた。今後も頑張っていきたい」と意欲を見せた。


◆―― 洞爺湖町議補選は今野氏ら当選

 洞爺湖町長選と同日投開票された町議補選は、新人3人が初当選を決めた。共産党公認のピアノ講師、今野幸子氏(67)と、会社役員の大屋治氏(71)、塗装業の竹林新市氏(60)のいずれも無所属の2人。投票率は68・5%、無効票は791票。


◆―― 安平は及川氏初当選
一騎打ちを制しバンザイする及川氏(中央)=15日午後10時45分、安平町追分本町
 安平町長選は、新人で前町教委教育次長の及川氏が前副町長の森下茂氏(63)=無所属=を破り、初当選を果たした。当日有権者数は6859人で投票者は5258人、投票率は76・66%だった。

 町役場出身の新人同士による一騎打ちは「早来」「追分」両地区を二分する激しい選挙戦に突入。序盤から街頭演説に重点を置いた及川氏の運動が、地盤の「追分」から「早来」地区へと浸透。さらに、終盤からは「町政の継続」を前面に掲げ、「町政の刷新」を訴えた森下氏との舌戦を制して勝利した。

 及川氏が午後10時20分ごろ、選挙事務所に入ると約100人の支持者から一斉に拍手が沸き上がり「おめでとう」の大合唱。一人一人とがっちり握手を交わしながら初勝利を分かち合っていた。

 及川氏は目を潤ませながら支持者らを前に「安平は大きな可能性がある。瀧町長が12年間で築いた礎を引き継ぎ、素晴らしいまちに発展させていきたい。これからがスタート。さらに輪を広げ、一体感のあるまちづくりに全力を注ぎたい」と公約実行を強調した。


◆―― 「負けは負け」―森下さん
落選が決まり、支援者に敗戦の弁を述べる森下さん=15日午後10時15分、早来大町の事務所
 安平町長選で行政マン同士の戦いに敗れた森下茂さん(63)は午後10時15分ごろ、選挙事務所に姿を現し「負けは負けであり、真摯(しんし)に受け止めている」と約40人の支援者を前に敗戦の弁。

 副町長を含め、45年間の行政経験を生かしたまちづくりを訴えたが、一歩及ばす涙をのんだ森下さんは「不徳の致すところであり、申し訳ありません」と頭を下げた。
(佐藤重伸)


◆―― 新ひだかは新人の大野氏が現職破る

 新ひだか町長選は、新人で元道農政部競馬事業室長の大野氏が、現職で4期目を目指した酒井芳秀氏(73)=無所属=を破り初当選を果たした。

 大野氏は、三つの“わ”(和・輪・環)を基本理念に、町政運営の透明化や説明責任の徹底、1次産業の強化と地場産品の地域内消費などを主張。“ニュー新ひだか町”を築き上げたいと訴え支持を集めた。

 町選管によると、当日有権者数は1万9111人で投票者数は1万3998人、投票率は73・25%。投票のあった2010年(平成22年)の町長選に比べ6・27ポイント減少した。

【写真=(上から順に)当選を祝ってバンザイする真屋氏(中央)=15日午後10時10分、洞爺湖町本町の選挙事務所、3選を決め、花束を受け取る真屋さん=15日午後10時6分、本町の選挙事務所、支持者らを前に敗戦の弁を述べる下道さん=15日午後9時50分、本町の選挙事務所、「自分のふがいなさを感じている」と肩を落とす高臣さん=15日午後9時47分、旭町の選挙事務所、一騎打ちを制しバンザイする及川氏(中央)=15日午後10時45分、安平町追分本町、落選が決まり、支援者に敗戦の弁を述べる森下さん=15日午後10時15分、早来大町の事務所、】




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