■ 有珠山噴火対策で道道新ルート2区間の整備が着々
【2017年5月24日(水)朝刊】

洞爺湖公園洞爺線新ルート@と滝之町伊達線新ルートA
 有珠山の噴火対策として道が進めている、壮瞥町の洞爺湖東岸と伊達市郊外を結ぶ道道新ルート2区間の整備事業が2019年度(平成31年度)中の全面完成を目指して進んでいる。湖畔と壮瞥町の市街地を結ぶ東湖畔トンネルの掘削は今月中旬、中間地点を越えた。噴火で主要道路が寸断された場合の代替路としての役割は大きく、早期の供用開始が期待されている。

 新ルートは、洞爺公園洞爺線と滝之町伊達線それぞれの道道で、新しい道路を整備する。室蘭建設管理部洞爺出張所(洞爺湖町)によると、洞爺公園洞爺線の現行ルートを壮瞥町滝之町から同町東湖畔に向かって南東側に新ルートを開削、延長463メートルの東湖畔トンネルを含めた全長1550メートルのルートを新設、国道453号に接続させる。国道と交差する地点から町道(950メートル)をそのまま活用し、立香南久保内線に合流させ、滝之町伊達線を東側に移設する4・24キロの新ルートを整備する。

洞爺公園洞爺線の滝之町側出入り口 2000年の前回噴火では、有珠山周辺にある国道や道縦貫自動車道、道道などの主要道路が、高温で高速の砂嵐など「火砕サージ」に襲われる危険性があったため、全面通行止め。このため、伊達から豊浦、長万部方面への物流ルートがほぼ寸断され、後志方面などに大きなзう(う)回(かい)を余儀なくされた。当時、豊浦―伊達間の移動には国道230号や276号、道道洞爺湖登別線、国道37号などを経由して最大5時間程度かかった。新ルートの完成で洞爺湖の東岸ルートを経由する経路が確保され、最大2時間程度に短縮される。

 全体の事業費は当初の55億円が、近年の資材高騰や労務単価の上昇、諸経費の見直しにより現在67億円を見込み、今後も膨らむ可能性があるという。

 有珠山は20〜30年周期で噴火を繰り返すとされていて、次期噴火に備えようと道が早期完成を目指し10年度に事業着手した。洞爺公園洞爺線の新ルートは18年度中の完成を見込み、滝之町伊達線の新ルートは19年度中の完成を目指す。

滝之町伊達線新ルートの伊達市側工事現場 全区間で用地取得はほぼ終わり、洞爺公園洞爺線のトンネル掘削は5月18日時点で中間地点を越える257メートルに達した。滝之町伊達線の新ルートでは、橋脚や盛り土、切り土の施工を進める。予算獲得は「次期噴火に備えるための道路で緊急性があり配分率は比較的良い」(同出張所)という。

 室蘭建設管理部洞爺出張所の山本文昭所長は「新ルートは有珠山噴火に備えた重要な役割を持つ道路になる。道路整備により地域の防災意識が高まってほしい」と願っている。
(野村英史)

【写真=洞爺公園洞爺線の滝之町側出入り口(上)、滝之町伊達線新ルートの伊達市側工事現場(下)】




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