■ 宮沢賢治の詩碑が完成、苫小牧で詠んだ「牛」刻む
【2017年5月23日(火)朝刊】

完成した宮沢賢治の詩碑に感慨深げな宮沢和樹さん
 「1ぴきのエーシャ牛が草と地靄(もや)に角をこすって遊んでいる…」で始まる、詩人・童話作家の宮沢賢治(1896〜1933年)が苫小牧で詠んだとされる詩「牛」(春と修羅第2集)の詩碑が21日、同市旭町に建てられた。市民有志の建設委員会(市町峰行委員長)が準備を進めていたもので、約120人のメンバーや市民らが賢治の生誕120年と新たなシンボルの完成を祝った。

 「牛」は賢治が花巻農学校の教師だった1924年(大正13年)5月21日、修学旅行として同市を訪れた際に、駅前の旅館から前浜までの1・5キロを一人で散歩したときの情景を詠んだ。当時は前浜一帯で乳牛を飼育する酪農が盛んだった。

 賢治は苫小牧でのことを「牛」の下書き稿となる「海鳴り」(未発表)に書いたとされる。発表された「牛」の中でパルプ工場について「火照りが夜なかの雲を焦がしている」と表現。最後は「牛はやっぱり機嫌がよく角で柵を叩いて遊んでいる」と締めくくられている。

 同委員会では生誕120周年を記念して、賢治が訪れた苫小牧での足跡を後世に残すため、詩碑の建立を計画、賛同者に寄付を募ってきた。これまでに約500人から約260万円が集まった。目標は300万円としており、現在も受け付けている。

 除幕式で市町委員長は「苫小牧の文化・観光のシンボルとして詩碑を守っていきたい」とあいさつ。関係者が除幕を行い、完成を祝った。

 来賓で出席した賢治の実弟・宮沢清六さんの孫で林風舎代表取締役の宮沢和樹さん(52)も参加。前日に賢治がたどった駅前から前浜までを歩いた宮沢さんは「賢治と同じような時間を過ごせたと思う。何とも言えない気持ちです。また、苫小牧を訪れる理由ができた」と、感慨深げに詩碑を見つめていた。
(佐藤重伸)

【写真=完成した宮沢賢治の詩碑に感慨深げな宮沢和樹さん




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