■ 特攻命令受けていた伊達の小貫さんが平和願い桜を移植
【2016年6月8日(水)朝刊】

満開を迎えた「平和櫻」と小貫さん。戦争のない平和な世界への祈りを込めた歌も残した
 伊達市長和町在住の小貫良雄さん(89)が、同町の長和地区コミュニティーセンターふれあい館の敷地内に桜を植樹した。幹にかけられた板には「平和櫻」の文字。昨年の戦後70年を機に改めて平和の尊さを伝えようと考え、自宅で育てていた桜を植え替えた。小貫さんは「枯れない木のように平和の尊さを伝え続けてほしい」と願っている。

 植えられたのは高さ約4メートルのヤマザクラ。造園業で働いた経験がある小貫さんが20年ほど育ててきた。同館の理解を得て5月中旬に敷地内の前庭に移植。小貫さん自ら、桜の根を保護する作業を行い、業者の手を借りてトラックで同館まで運んだ。

 小貫さんは戦時中、土浦海軍航空隊に配属。終戦直前の1945年(昭和20年)8月14日、転属先の横須賀の基地で特攻を言い渡された。玉音放送を聞いたのは出撃する基地に向かっていた列車の中。「特攻で死んだ仲間もいる。自分は2度命を授かった」と語る。

 「生き残ったありがたみがある。二度と戦争がない世の中にしたい」との思いは、戦争が遠い過去になっていくにつれて強まった。桜の幹にかけた板に、直筆の歌を記した。

 千年も 平和心で 咲きほこれ―

 「この桜が、これからの若い人のために世界平和を願う人間がいたことを伝えてほしい」と祈る小貫さん。桜は移植の影響からか開花が遅れたが、同月下旬に無事満開となった。
(奥村憲史)

【写真=満開を迎えた「平和櫻」と小貫さん。戦争のない平和な世界への祈りを込めた歌も残した




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