(8月24日付朝刊より) ◎道道室蘭港線の急カーブを直線化、今月末に本工事着手へ  室蘭市の白鳥大橋祝津側アクセスルート、道道室蘭港線(街路名・港大通)の急カーブを解消する ため、室蘭土木現業所は、今月末にも線形改良の本工事(路盤工)に着手する。同線の950メート ル区間(室蘭市緑町―小橋内町)の4カ所のカーブを解消して、ほぼ直線化することで、白鳥大橋開 通で増加した車のスムーズな流れを確保する。平成13年度に完了の予定。  室蘭港線は、室蘭市山手町のNHK室蘭放送局前から、室蘭駅前を通り、白鳥大橋祝津ランプに至 る延長3・9キロの道道。9年度に小橋内町から緑町までの950メートル区間の都市計画変更が行 われ、11年度に測量調査、設計、用地補償が実施されてきた。  本年度着手するのは、急カーブが激しい、築地町のイエローグローブ白鳥大橋蘭西店前付近の280 メートル区間。クランク状になっている現道を南側にシフトし、車道幅員11メートルの道路を新た に設けることにより、ほぼ直線化を図っていく。両側には3・5メートルの歩道を設置する。今月末 にも本工事に取り掛かり、12月末に完成予定。  一方、同じくクランク状になっている海岸町の急カーブなど、残り670メートル区間については、 13年度に同じく南側にシフトする本工事を行い、完成させる予定。  白鳥大橋祝津ランプ橋から入江町の国道36号までは、白鳥新道2期ルートとして、高架構造の室 蘭バイパス(約3キロ)が予定されているが、現在のところ、2期ルート事業化の見通しは立ってい ない。  室蘭土現では、白鳥大橋開通後の交通混雑に対応するため、これまでも、同線でバスの停車帯や右 折レーンを設置するなどの整備を進めてきたが、今回の直線化で、交通混雑緩和と交通事故防止につ なげたい考えだ。 ______________________________________________ ◎室蘭・弥生ショッピングセンターの建設が進み、来月下旬から大型店が順次オープン  日本製鋼所(本社東京)が建物設置者となり、室蘭市東町の弥生社宅跡地に開設する「弥生ショッ ピングセンター(SC)」(仮称)の建設が進み、入居する大型店5社のうち、大手ホームセンター ・ホーマック(本社札幌市)の9月下旬オープンが決まった。出店に伴う各社の売り場面積などの届 け出は、国や道の大規模小売店舗審議会(大店審)でいずれも結審しており、10月以降相次いで開 店する。  同SCの建設用地は、東町1の約3万6千平方メートル。日鋼が施設一切を整備して、出店する企 業に賃貸し、オープンモール型の複合SCとする。駐車場は約680台を確保する。外食産業が入居 する1区画分だけは詳細な計画が固まっていないが、当初の出店計画による全体売り上げは年間約 48億円を見込んでいる。  入居する大型店(かっこ内は本社、結審後の売り場面積)は、@ホームセンターのホーマック (札幌、3800平方メートル)A生活協同組合コープクレア(室蘭、1238平方メートル)Bド ラッグストアのツルハ(札幌、930平方メートル)C家具のニトリ(同、4700平方メートル) D家電販売のそうご電器(同、2426平方メートル)―の5社。  さらに、ファーストリテイリング(本社山口県山口市)が全国展開しているカジュアル衣料専門店 「ユニクロ」(481平方メートル)も出店する。外食店の進出計画は詰めの段階で、今月中に決定 するという。  各施設の建設は順調に進んでおり、同SCの核店舗となるホーマックがトップを切って9月下旬に オープンする。各店ともこれに続き、10月から順次開店する予定。雇用人員はパート、アルバイト を含め計350人前後を見込んでいる。 ______________________________________________ ◎登別、室蘭、伊達の3市合同による民間企業体験研修が始まる  登別、室蘭、伊達の3市合同による民間企業体験研修が、21日から30日までの日程で登別温泉 の宿泊施設で始まり、職員が接客業のノウハウを身をもって学んでいる。  5年目となる今年の民間での『修行』には、3市から20―30歳代の若手職員九人が参加。登別 地獄まつり期間中の繁忙期に合わせて行われ、温泉街の9旅館・ホテルが受け入れた。  このうち「花鐘亭はなや」には、室蘭市保健福祉部保護課に勤務する田所和久さん(27)が配属 された。社員寮に住み込み、フロント業務を中心に朝夕のお客の送迎や、脱衣場の清掃、布団上げな どを体験している。  「仕事の時、まずは笑顔と明るい態度で接することを心掛けて」とのアドバイスは受けても、初の 経験にコチコチの表情。それでも「皆さんの接客態度をよく見て、市民サービス向上に役立てたい」 と意欲を見せ、ベテラン従業員らの何気ない声掛けや身のこなしを参考にしていた。  研修期間中は登別地獄まつりにも参加。宿泊客らを踊りの輪に誘い、祭りの盛り上げにひと役買う。 ______________________________________________ ◎登別地獄まつりがあす開幕、住民らが準備を急ぐ  【登別】あす25日から第37回登別地獄まつりが開幕する。高さ6メートルにおよぶエンマ大王 からくり山車、担ぎ手百人が沿道を練り歩く鬼みこし暴れ練りこみ、鬼踊り大群舞など、壮大な地獄 絵巻が3夜連続で繰り広げられる。温泉街最大のイベントに向け、地元では観光客の受け入れを進め るともに、会場づくりや祭り盛り上げに一役買おう―と住民らが準備を急いでいる。  26日の鬼踊り仮装コンテストでは今年は「鬼」が統一テーマに決まり、ユニークな鬼が通りに繰 り出しパフォーマンスを披露する。常連の白田智子さん(登別本町在住)率いる地元チームは3年連 続出場となり、「今年は優勝を狙います」と意気込んでいる。  同チームは白田さんが代表を務める「日本伝承笛太鼓の会」をはじめ、よさこいソーラン踊りの仲 間など、幼児や小中学生と母親ら約30人で構成。これまで「ピカチュウ」「桃太郎と浦島太郎」の 仮装で出場し、4位、3位の入賞経験を持つ。今年はチーム名を「おっ!いいんでないかい」に変更 し、賞金獲得に挑む。  重さ1トンのみこしを100人の若衆が担ぎ回す「鬼みこし暴れねりこみ」には、地元登別温泉中 学校(泰地和幸校長、18人)の鬼みこしも参加するが、今年はかねて懸案だった軽量化が図られ、 新しいみこしで出陣する。  同中の鬼みこしは以前、登別温泉旅館組合が山車として使用し、後から担ぎ棒を取り付け、平成2 年から同中生徒らが担いできた。が、重量が鬼本体だけで150キロ、担ぎ棒を含め220キロにな ることから、軽量化が課題となっていた。また老朽化も進み、今年、学校後援会とPTAが協力して 新たなみこしの製作を地元業者に依頼した。  新しいみこしは重さが140キロ以下に軽量化され、伝統の鬼のイメージを残して形、色ともほぼ 同じに仕上がった。23日には早速、生徒らが担ぎ具合を確かめるなど本番に備えていた。 ______________________________________________ ◎旧プラザさいとう白老店に道央市民生協がオープンする  【苫小牧、白老】道央市民生協(本部苫小牧)は、閉鎖したプラザさいとう(本社白老)の道内9 店舗のうちの1つ・白老店を借りる検討を進めている。順調に行けば今月中にも賃貸契約を結び10 月のオープンを目指すという。  旧プラザさいとうの九店舗のうち、萩野、登別、福島、木古内、松前、鵡川、江差の7店舗は、旭 川市内などでスーパー「旭友ストア」を展開している旭川電気軌道(本社旭川、豊島弘通社長)が買 収した。  この中に含まれない白老店についてはこれまでのところ、旭川電気軌道が買収し、これを同生協が 借りる方向で協議が進められている。白老町内には既に同生協の店舗があり、正式に賃貸が決まれば、 同生協としては現店舗を統合していくことになりそう。  白老店の延べ床面積は約3千平方メートルで、同生協の白老店の約3倍の広さ。同生協の重原祐治 理事長は「借りる方向で検討中で、日本生協連などと相談している。今月中にはメドを付けたい」と している。 ______________________________________________ ◎生物の多様さを調査する国際プロジェクトが始動、苫小牧で予備実験が行われる  【苫小牧】日本をはじめとするアジア・太平洋地域の国々の森や湖、海などで、統一された手法に 従って、そこに生息する生物の多様さ(生物多様性)を調べる研究プロジェクトが来年、行われるこ とになった。  2001年を国際生物多様性観測年(IBOY)と位置付け、生物とそれを取り巻く環境の調査を 集中的に行う国際共同研究計画の一環。  日本、ロシア、中国、東南アジアなど20近くの国や地域から、それぞれ数カ所の調査地点を選び、 1年間がかりで調査を行う。このほど、来年の本調査に向けた予備実験が、苫小牧市の北海道大苫小 牧地方演習林で始まった。  研究者が、それぞれ独自の手法で行うのではなく、できるだけ多くの調査地点で、統一されたマニ ュアルに従って、同時に生物の生息状況や周辺の環境を調べ、生物多様性についての総合的なデータ を集めるのがプロジェクトの目的。  京都大の研究者が提唱し、40以上の国や地域の科学者が参加。淡水、森林、沿岸海域の3つの生 態系について、動植物の種類や数、大きさ、気象データなどを観測する。  予備調査は21日から25日までの日程。演習林内に研究者や学生ら約30人が泊まり込み、夜に 光に集まる虫を捕らえる装置などの性能を比較。薬を使って木の先端から根本までにいるすべての虫 を集める実験なども行い、本調査に使う装置のデザインやマニュアルの内容を決める。 ______________________________________________ ◎白老町町内会連合会主催の町政懇談会がスタート、町民と協働のまちづくりを推進する   【白老】白老町町内会連合会(河野広臣会長)が主催する平成12年度の町政懇談会が来月5日の 竹浦・飛生・虎杖浜地区からスタートする。今年は3ブロックから71件の要望が出されており、理 事者が地域の重要課題などについて説明する。  同懇談会は、町民と協働のまちづくりの推進が狙い。町の総合計画に定めた地域振興区分に合わせ、 竹浦・飛生・虎杖浜(5日、竹浦コミュニティーセンター)、社台・白老・森野(6日、社台生活館) 石山・萩野・北吉原(7日、萩野公民館)の3ブロックで行われる。時間はいずれも午後6時から同 8時半まで。  今回集約された要望事項71件のうち、重要課題については理事者が懇談会で直接住民に説明(A 回答)するほか、細かい案件はB回答として後日文書で住民に伝えられる。  ブロック別の要望件数は、竹浦・飛生・虎杖浜が16件、社台・白老・森野が17件、石山・萩野 ・北吉原が38件。  分野別では土地利用、住宅・宅地などの「都市計画」が最も多く、全体の46・4%を占める33 件。次いで環境衛生、防災、交通安全などの「生活と環境」の30件。  116件の要望があった11年度の同懇談会の要望処理実績は、11年度実施が43件(37・1 %)、12年度実施が13件(11・2%)、13年度以降実施8件(6・9%)、関係機関要請が 17件(14・7%)。「要検討・困難」は35件の30・2%だった。  また、当日は理事者との懇談会も行われる。テーマは「地域ネットワークづくり」「環境美化」 「信号機等適正設置」などとなっている。 ______________________________________________ ◎虻田、壮瞥、洞爺の3町村から船着き場整備案が浮上する  【胆振西部】有珠山噴火や大雨など自然災害により洞爺湖を1周する道路が寸断された場合でも輸 送ルートを確保するため、船による湖面利用を促進しよう―との案が湖を囲む虻田、壮瞥、洞爺の3 町村から浮上しており、船着き場の整備を中央陳情などでアピールしている。  洞爺湖を1周する道路網の整備は年々着実に進んでいる。だが、噴火で交通規制が敷かれたり、昨 年の大雨による土砂崩れ災害では、一部地域が孤立したり、狭あいになった道路をう回することを余 儀なくされるなど抜本的な対策が求められている。そこで関係する自治体から浮上してきたのが、水 上の交通網を整備し、有効な移動手段として活用する同案。  具体的には虻田町洞爺湖温泉町と洞爺村に桟橋があるが、さらに壮瞥町の仲洞爺、壮瞥温泉、虻田 町月浦の3地区に新たな船着き場を整備。平常時には住民の通勤や通学、通院、観光客の移動に使い、 非常時には住民や観光客の緊急避難や物資輸送に使用する。  船着き場の整備には、降灰除去作業で排出した灰や道路整備で発生した残土を利用することも提案 されている。水上バス的な交通網が整備されると、現在の陸上ルートよりも移動時間が短縮される可 能性もあり、実現が期待されている。 ______________________________________________ ◎有珠山周辺地域の復興を願い「洞爺湖世界の音楽祭」が開催される   【洞爺】有珠山周辺地域の復興を願い、音楽の贈り物―。洞爺湖世界の音楽祭(同実行委主催)が 27日、洞爺村観音温泉昴の郷・野外広場で開かれる。地元のバンドや世界のアーチストの演奏のほ か、会場ではアジアン屋台などが軒を連ね、国際色豊かなイベントになりそうだ。  同実行委員会の檜皮浩連代表は神戸市に住んでいたが、阪神淡路大震災を機に、7年前に平取町に 移住し、昨年9月からは洞爺村に住んでいる。オカリナなど楽器製作者としてのキャリアを生かし、 「震災と有珠山噴火を経験し、自分に何かできることはないか」と音楽祭を企画。洞爺村教育委員会 や音楽仲間などの協力を得て実現にこぎ着けた。  世界の音楽祭は当日午前10時から開幕。洞爺湖周辺市町村の高校生や一般のアマチュアバンドの 演奏の後、現在活躍中のミュージシャンによる南米やインド、スペインなどの民族楽器を使ったコン サートが行われる。  会場では「手作りバザール」と銘打ち、洞爺村の地場産品の販売のほか、クラフト工芸の展示販売、 アジアン屋台、イタリアンディッシュなどの出店約20店舗が軒を連ねる予定。雨天時は洞爺村総合 センターでコンサートのみが開かれる。  問い合わせは檜皮代表(電話0142・87局2606番)へ。 ______________________________________________ ◎「子ども霞ケ関見学デー」が開かれ、岡田教授がテレビ会議システムを使い有珠山について講演  【虻田】文部省など国の27省庁が連携して実施する「子ども霞ケ関見学デー」が23日に開かれ、 北大大学院の岡田弘教授がテレビ会議システムを使い、室蘭開発建設部虻田道路維持事務所(虻田町 入江)から東京の子供たちに有珠山について講演した。  夏休み中の児童・生徒を対象に、各省庁の施策に理解を深めてもらう狙いで毎年、文部省が中心と なって開催している。今回は北海道開発庁が配備した災害用テレビ会議システムを利用し、東京の同 庁会議室と虻田町を結んで火山の講義が行われた。  有珠山噴火では、伊達市内の現地対策本部に同システムが設置され大活躍しており、岡田教授は東 京の小学生たち19人に向け、明治以来続く科学的火山観測の歴史をなど説明。子供らからは「次の 噴火はいつですか」「山に住んでいた動物は噴火でどうなりましたか」といった興味いっぱいの質問 が飛び出していた。 ______________________________________________ (8月24日付夕刊より) ◎国立オペラ劇場の専属メークアップアーチストとして活躍する室蘭出身の筒井さんが里帰り  ドイツオペラの殿堂・国立オペラ劇場の専属メークアップアーチストとして活躍する室蘭生まれの 筒井厚子さん(50)が今年も里帰りし、しばし「古里の味」をかみしめている。  筒井さんは、室蘭東高校卒業後、東京の山野愛子美容学校高等科に進学。卒業後の池袋店時代に、 東京バレエ団のメークを担当したのがきっかけでこの道に入った。バレーダンサーの夫の欧州遠征に 同行したウィーンで腕を見込まれ、ベルリンにあるドイツ国立オペラ劇場職員に採用された。28歳 の時で、身分は国家公務員。独語の資格試験も持ち前の頑張りで突破した。  以来、ベルリン生活22年。この間、同劇場で公演する世界のプリマドンナの舞台用のメークアッ プやカツラ合わせを担当。美を追究したその仕事ぶりから大きな信頼を得ている。同劇場には約 1200人の職員が働くが、ただ1人の日本人でもある。あの「ベルリンの壁崩壊」の時も現地にい た。  両親の住む室蘭には6週間の夏休みを利用して「ほぼ毎年のよう」に里帰りしているという。今年 もお盆に合わせて帰蘭した。  「気候が室蘭と似ているし、食事も大好きなジャガイモと牛乳があるので」と長いドイツ生活を振 り返り、故郷のマチの変化にも「昔の元気さはないが、マチおこしに頑張っている市民も多い。豊か な自然と人情がなにより」とエールを送る。旧友としばし旧交を温め、25日にベルリンに帰る。 _____________________________________________________________________________________________ ◎北海道女性大会を前に、実行委員を務める室婦連メンバーらが最終準備に追われる  25日から39年ぶりに室蘭で開かれる「第51回北海道女性大会」を前に、会場となる市文化セ ンターでは、実行委員を務める室婦連メンバーらが大会に向けての最終準備に追われている。  同大会は25、26日の2日間にわたり開催。初日は室蘭地方史研究会の寺地憲一幹事らを招いた シンポジウムが、2日目は長崎純心大学教授の一番ケ瀬康子さんによる講演「これからを生きるため に」が行われる。また、2日目は開会式に先駆けて、室蘭大谷高校の生徒による太鼓演奏がアトラク ションとして披露されるほか、大会期間中は同センター1階の展示室で、地元室蘭の菓子類や海産物 など名産品を集めた「むろらん名店街」も開かれる。  準備も大詰めとなった23日は会員をはじめ、行政関係者ら約25人が集まり、大会資料の袋詰め 作業を行った。大会には1300人の出席が予定されているとあって、作業は朝から夕方までかかる 大仕事。会員たちは流れる汗をふきながら、山積みにされた資料を1つ1つ袋に入れ、間近に迫った 大会に備えていた。  大会実行委員長の時田昭子・室婦連会長は「大会の成功に向けてみんなの気持ちが一つになり、こ んなにも大きな力になったことを肌で実感した。大会でもこのパワーを地域のために、最大限発揮し たい」と張り切っている。